高齢者内科

高齢者内科はあまり聞き慣れない診療科ではないかと思います。

数は少ないですが、大学病院では「高齢診療科」「老年病科」といった名称で診療を行っています。

加齢に伴い、内科合併症の増加だけではなく、認知機能の低下や、これらに起因する社会的な問題も認められるようになります。

状態が複雑になると、各領域の診療科を複数受診する必要がありますが、各々の診療科が該当する疾患のみを治療するだけでは治療がうまく進みません。

当院では、高齢者を全体として診療していく科が必要であると考えており、そこに必要なのが高齢者内科です。

子供が、まず小児科を受診するように、高齢者が、まず高齢者内科(高齢診療科・老年病科)を受診する、そして、必要であれば臓器別の診療科に専門的な治療を依頼する、また、それが落ち付けは、高齢者内科が総合的に診療を行っていくという流れが大切であると考えています。

無理に抱え込まず、しかし必要な治療は現実的な範囲で行っていく、また、治療方針について、ご本人様・ご家族様と相談しながら、しっかりと決めていく、そんな診療を行っていきます。

また、その中で見落とされがちなごく初期の認知機能の低下についても、普段の診療からしっかりと見つけていきます。

認知症外来

「最近、物忘れが増えた気がする」「家族の様子がいつもと違う」...

そんな小さな気づきが、認知症のサインかもしれません。

桜上水駅前内科では、認知症外来を設けています。早期診断と適切な治療、そしてご本人様とご家族様を支えるサポート体制を大切にしています。

認知症外来の受診であることをご本人様に伝えにくい場合は、問診票にその旨ご記載ください。ご配慮いたします。

治療・サポート内容

認知症の診療では、正確な診断だけでなく、その後の治療や生活・介護に対する支援が必要となります。

当院では、進行を抑制する薬物療法から、内科合併症の管理、日常生活に対するアドバイスまで、総合的に対応しています。早期発見によって、住み慣れた自宅で、少しでも永く、かつ安全に生活できるように支援していきます。

薬物療法

認知症の進行をできるだけ緩やかにするため、症状や病型に応じた薬剤を処方します。

意欲の低下や抑うつ、攻撃性、同じことを繰り返すといった症状に対しても治療を行います。

認知機能にとって有害となり得る薬が投与されていないか評価します。

抗アミロイド抗体薬(レカネマブ・ドナネマブ)について、投与できるの可能性があるか判断します。また、抗アミロイド抗体薬による治療をご希望の場合は、実施可能な医療機関にご紹介いたします。

当院では、原則として保険診療内で検査や治療を実施します。自費の治療について、現時点で効果が期待できるものがないため、行っておりません。

合併症管理

高齢者において、認知症以外の疾患がないということは比較的まれです。

また、高血圧や糖尿病、脂質異常症(コレステロール)などの生活習慣病は認知症と深い関連があると考えられています。

当院では認知症の診療と同時に、これらの合併症も継続的に管理することで、全身の健康維持を目指していきます。

生活習慣病以外の内科疾患についても対応していきます。また、急な体調変化が認められた場合は、当院へご連絡ください。

生活支援

日常生活の中で実践できる工夫をご提案します。

食事・運動・睡眠の改善・転倒予防など、患者さまの状態に合わせたアドバイスを行い、快適で安全な生活を支えます。

介護保険の申請について、詳細な聞き取りや診察、検査結果から、身体と認知機能いずれの項目においても適切に評価と記載を行います。

ご家族へのサポート

認知症はご本人だけでなく、ご家族にとっても大きな負担となることがあります。

当院では、介護に関する不安や悩みに寄り添い、相談を受けながら具体的な支援方法を一緒に考えていきます。介護負担を軽減し、ご家族が安心して支えられるようにサポートいたします。

地域連携

地域包括支援センターや介護保険サービスの利用によって生活全般を支えられるようにアドバイスを行っていきます。

地域のネットワークを活用し、患者さまやご家族が孤立しないよう継続的に支援を行います。

受診時にご用意いただくもの

  • マイナンバーカード(健康保険証)
  • お薬手帳
  • かかりつけ医からの診療情報提供書(紹介状)があればご持参ください
  • 過去の検査結果があればご持参ください

認知症は早期に気づき、対応することがその後の生活の質を大きく左右します。当院では、ご本人様の症状に合わせた診療だけでなく、ご家族様の心の支えとなれるよう心がけています。

小さな変化が「年齢のせい」と思えるうちに、ぜひ一度ご相談ください。桜上水駅前内科は、地域に根ざした「安心の医療拠点」として、皆さまの暮らしを支えてまいります。